ここでいう敗者、【鬼】とはなんぞや?
また、戦勝者とはなんぞや?です。
まず、敗者【鬼】ですが―
島根県大田市大屋町鬼村「大年神社(おおどしじんじゃ)」の祭神「大年神(おおどしがみ)」と、かつて、同村に存在した「八代姫神社(やじろひめじんじゃ)」の祭神「八代姫(やじろひめ)」を元祖とする【鬼一族】のことであると考えます。(資料:【鬼】一族
参照)
つまり、
【鬼】とは世にいうバケモノではなく、
「鬼」なる地に拠点を置く一族の名称、
【鬼一族】をいうのです!
【鬼】地出身である神々の功績など、認めたくないのが戦勝者です。
その功績が大きければ大きいほど、戦勝者にとっては、目の上のタンコブであることから、【鬼】は恐ろしき化け物なり≠ニ吹聴し続けてきました。
つまりは、長年に渡る執拗なまでの「鬼排斥運動」=
鬼に対する劣悪なイメージ作り≠ノ勤しんだのです。
その結果が、前述のごとく、「鬼=化け物。妖怪。もののけ」の図式成立にこぎ着けたという訳です!
ここまで【鬼】を嫌われモノに仕立てあげれば、戦勝者の思うツボです。
『史観の変遷』の著者、木幡吹月氏によれば―
大和朝廷でつくられた『古事記』・『日本書記』は、『出雲神話』の良いところは黙殺したうえに、出雲国土経営の祖神、スサノヲノミコトをアマテラスオオミカミの弟にでっちあげ、国譲りを合理化したり、出雲国を黄泉国(よみのくに。死後魂が行くという所)と称して逆臣追放の地としている勝手な話である。
これぞ、大和朝廷の御用歴史学者の筆先によるフィクションである
と、かなり手厳しい批判です。
筆者も同感ですが…。
そこで、実(げ)に憎き「石見王朝」・「出雲王朝」の主=
【鬼】は、人に害を与える怪物である≠ニ、国譲り後(西暦200年頃)、全国津々浦々に喧伝しまくったのです!
かくして【鬼】は、長きにわたり、
悪役総代表として君臨し続けるという訳でありまして…。
もっとも、徹底的な【鬼】退治は、701年から始まる「近畿王朝」になってからのことですから、これ以後かもしれませんが…。
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